厨房どもの飲み会

日曜、飲み会があり、篠房氏とエロゲーかBLを作ろうというネタ話になる。いつものグダグダなネタ話。(私伊藤が)吉里吉里/KAGはかなり覚えたので、ちょっとしたノベルゲーなら作れると思うから、とはいうものの、企画自体がいつものネタ話なので本当にやるかどうかはわからない。てか、たぶんやらない。

世界が萌え化していくという話を考えた。ハルヒのような存在が何人もいて(え?SRE?)、しかもそいつらが全員エロゲ脳なのものだから、欲望の世界演算合戦がエクストリームリーになった結果、唐突に血縁の妹がいることが判明したり、同級生の女の子が記憶を失ったあげく前向性健忘症になったり、多重人格になったり、好きだった女の子が不治の病になったりする、といったように主人公周囲の世界がものすごい勢いで後付けで改変されて、加速度的にすさまじい状態になる。

篠房氏は萌え機関はどうだろう、という話をする。激シブな神宮司三郎状態の主人公が、これまたいい感じに爛れている歌舞伎町あたりのソープ嬢殺人事件を追っていくうちに、相棒の勝気な女性刑事が実はデレであることが判明したり、自分に妹がいることが判明したり、捜査の過程でなぜか女子寮に一週間滞在する羽目になったり、男とばかり思っていた本庁の管理官が幼女であることが判明したりして、小便の匂い漂う歌舞伎町から始まった激シブハードボイルドな物語が、悪夢のような萌えに徐々に蝕まれていく。萌え装置の威力はとどまるところを知らず。それを創造した悪役にも最早止めようが無い。劇中で碇ゲンドウポーズで「クックックッ……」「予定通りに進行中だ」などと微妙に点描されていたはずの悪の髭親父も、主人公がラストでたどりついたときにはすっかり美少女になっていて、「少々遅かったようだ……最早私はこんなだが」とか言ったりする。同僚や友人に「私が萌え尽きてしまうまえに……私を撃ってえええ」などと懇願されたりする。

駄目だと思う。

BLはどうか、というので、売れる要素を合成することを考える。今売れているもの。そりゃもちろん女子中高生が読んだり書いたりするケータイ小説と、ビリーズブートキャンプだろう。というわけで、その二つをぶちこめば売れるものができるのではないかと考える。ビリーズラブ、つまりBLである。

要するに、彼の初体験、レイプ(される)、援交、リストカット、そののち初めて本当に愛した男がエイズにかかるかして、エピローグ、その男の思い出を胸に「ワンモアセッッ」とテレビに出演する彼の姿が描かれる。あの思い出の夜、「プッシュ、プッシュ、モア、モア」などと口にしていた記憶が、今日の成功に実はつながっていたのである。問題は、彼のやおいを描いてガチっぽくならない、あくまで女性受けするイラストは書けるのか、ということだが。

これも駄目だと思う。なんで俺達はこういう駄目なことしか考えられない中学生なのだろうか。

こうして飲み会は終わった。