久し振りにお休み
- はじめての確定申告を終えた。医療費がものすごいので、いくらか帰ってくる予定。
- あるお仕事にひとくぎり(まだあるけど)。
なので、久し振りに映画を見に行きました。「ジャンパー」「バンテージ・ポイント」「ノーカントリー」の3本。一日に3本見るのが久し振りだったんで、えらく疲れました。
別にアミンを演ったからではなく、以前からそう思っていたのだが、フォレスト・ウィテカーは変態系である。いい人オーラを放ちつつ非道をこなす、そんな役割がぴったりくる。不穏なのである。地下室に子供の死体が三つ四つ転がっているような善人の役が似合うのである。ちなみに、フォレストと類似した不穏さを持つ役者としてはデビッド・モースが挙げられる。だから、「バンテージ・ポイント」で一番どきどきしたのはフォレスト・ウィテカーが幼女と数度にわたって親密に触れ合うシーンなのだが、私が期待した彼の不穏さは炸裂せず、結局いつものいい人キャラで終わる、ように見えるが、この映画で一番不合理なのが彼の行動の無根拠性であることに気がつき、いったいなんで奴はあんなにアグレッシブに事件に首を突っ込んでいくのかと考え始めたとたん、一切の合理性を拒否する不穏さが立ち上がってきて、それゆえのフォレストの起用かと納得する、わけない。つまり他の人間がテロリストだのSPだのといった職業性によってある程度行動を根拠付けられているのに対し、フォレストの義務感だけが絶対的に無根拠なのである。
どうでもいいが、篠房氏が描きそうな顔ですね>フォレスト
ジャンパー、については、「青春映画の人」ダグ・リーマンの映画なので、ダメなほうに転がったボーンの話として見ると面白い。いや、別に面白くないか。でもお話的にはかなり似ている。ある日突然与えられた能力、その能力を持つ者を追う巨大組織。ボーン一作目というのは、実はスパイ映画とか言う以前に「ある日突然、ものすごい能力を与えられてしまった若者」による青春映画なので、この「ジャンパー」はいわば人間としてダメな方向に転がっていったボーンの話ということも出来る。つまりボーンが「ジャンパー」の主人公のような性格造形だったとしたら、一瞬でナンバープレートをおぼえる能力をストーカーに使ったりするんでしょう。