メタルギアソリッド3

「2」の、一見電波陰謀史観話かと思わせておいて実は陰謀史観そのものを脱臼し無効化するメタフィクション、というヒネくれた構成に比べて、今作は実に堂々陰謀史観話。60年代が舞台なので、なんだかピンチョンみたいだ。「重力の虹」とか「競売ナンバー〜」の地下郵便組織とかああいう。

 あと、作り手の意思はどうかわかりませんが、今回の若オセロは少なくとも故・塩沢兼人さんのキャラではない。これはたぶん山崎さんじゃなきゃできないな、と思いました。プレイ前は、多くの人がそう思うようにまた私も「塩沢さんの後任」的見方をしていたのですが、この若オセロの「成熟していない」感じ、どことなく「やんちゃな」感じ、クールさを「気取りたい」感じ、は塩沢さんの声には似合わない。たぶん、ちょっとクールすぎたでしょう。そういう意味で、この山崎さんの仕事をポスト塩沢的に考えるのは山崎/塩沢両氏に対して失礼な気がしました。今回のオセロは山崎さんじゃなきゃできない、完全に山崎キャラでした。

 というか、今回一番魅力的なキャラですな。ほとんど副主人公扱い。それもやっぱり、山崎たくみさんとモーションの金澤大朗さんの力ですな。