2.0
- 攻殻見てきた。
- 全体に間を細かく落としてテンポ詰めてるな。「シーン単位で丸々追加した場面があるのに、上映時間が短くなっていて、どこ削ったんだかわからない」というあの恐ろしい代物「エイリアン:ディレクターズカット」と同じく、カット尻を切って帳尻を合わせる方法。
- オープニングのCG素子、普通にだめだろ。PS3やXBOXのリアルタイムレンダでももっとマシ。最初から立体空間用にレイアウト設計しているメタルギアのほうが100倍美しい。
- ダイビング素子、あれもダメだろ。
- てかヘリもだめでしょ。
- つまり、3DCGの使い方全部下手。他の部品と表現の抽象度がずれすぎ。
- 音はよかった。
- というか、公開当時でさえ、オープニングのサイボーグ作成時に頭蓋骨ユニットのふたが閉まるとき「ウィーン、ウィン」ってガンダム音がして苦笑してたからなあ、あの音がなくなっててよかった。
- 田中さんの素子はよりクールになってた。素子に関しては2.0のほうがかっこいい。
- 見る前からがっかりしてた良子さん人形使いが意外とクールではまってた。見る前に判断してごめんなさい。
- ただ、すごく良かった、てわけでもなくて、致命的な点が一つ。
- 良子さん、長台詞の途中ですごく目立つ(というか耳障り、か、この場合)ブレスをする。喉の声帯使って喋っていないキャラで、ものすごく目立つ息継ぎしちゃってる。
- これはさすがに辛かった。ここまでひどいブレスは少なくとも家弓さん人形使いにはなかった。
- おかげで、情報の海に発生した生命体のはずが、ただの人になっちゃってる。
- でもまあ、総体としては良子さん人形使いもなまめかしくてよいかと。
- 逆にダメになってたのが、意外にも大塚さん。本当にこれは意外。他の人のクールなトーンからひとりだけ浮き上がってる。
- トグサのほうがベテランに聞こえるくらい。
- ラストの夜景は良かった。すごく良かった。あれ見るためだけにもう一回視てもいい。
- 全体としては、OPとダイビングの素子さえなきゃなあ、という感想。
- 人形使い、女性化した結果、語尾など台本を女性言葉に書き換えてしまっているわけだが、声が露骨に女性なのに、さらに念押しで「〜よ」とか「かしら」のような非現実的な役割語を付けると、すごく恥ずかしくなる。小説媒体などは台詞の主体を一発で視認させる必要があるため、あるていど役割語を使うのは仕方ない(実際、MGS4ノベライズでは役割語を中心にけっこう台詞をリライトしました。これは声がある媒体から声のない媒体への移行ではあたりまえの作業)けれど、「声色」というものがある媒体で役割語の遣いどころを誤ると聞くに耐えない(耳にはまぶたがないから)。
- 結果として、女性的な台詞への変更は女性の女性性は声質で必要充分であることを実感させられる悪い例になってしまった。良子さんの演技がいいだけに、なおのこと。
- リライター誰?もしかして押井さん自身?
- パト2サウンドリニューアルもそうだけど、いままでの押井さんのサウンドリニューアルって全部改悪のような……。べつにオリジナルと同じものは求めてないけれど、総じてクドくて脂っこい方向に舵を切っているような。