「ガンマー第3号 宇宙大作戦」

 深作のSF、というとあの(笑)「宇宙からのメッセージ」なわけですが、SF映画としては「宇宙からのメッセージ(78年)」の10年前に撮られたはずのこの作品(68年)のほうが、まっとうなSF映画になっているのには驚きます。もちろん造型とか造型とか造型とかそういうものは時代とか予算とかあって「宇宙〜」よりもはるかにさみしい出来ですが、スターウォーズをパクろうとして真田広之宇宙暴走族役で登場するというものすごい事態になってしまったあの映画よりは、シンプルなプロットが功を奏して簡潔で経済的なモンスター映画になってます。

『「エイリアン」の元ネタ』とか司会のショッカー大野さんが言ってたので「それはフカしすぎだろ」とか思っていたのですが、惑星でモンスターを(意図せず)拾って宇宙ステーションが惨劇の舞台になる、とか、惑星から帰ってきたあと指揮官と副官が検疫をめぐって対立する、とか確かにカブる細部がかなりあり、上映が終わる頃までにはすっかり「オバノンはこれ、ひょっとしたら観てたんじゃないかしら」という気分になってました(まあ、良くあるネタなのでただのカブりだというのがほんとのとこだとは思いますが)。