死刑台の上でのミュンヘンとメタルギアの出会い

まず、いきなり宣伝ですが、6/27発売の「ユリイカ」7月号、スピルバーグ特集において、数ページのエッセイを書かせていただきました。いただいたお題が「A.I.」「マイノリティ・リポート」「宇宙戦争」という21世紀のスピルバーグSFについてだったのですが、あまりSFの話してません。よろしくです。


本編に先駆けて発売したMGS4のサントラで、何が驚いたかってまさかのモリコーネ投入、ご存じ「死刑台のメロディ」から「Here's to You」をエンディングテーマに持ってきたことですな。

METAL GEAR SOLID4 GUNS OF THE PATRIOTS ORIGINAL SOUNDTRACK

METAL GEAR SOLID4 GUNS OF THE PATRIOTS ORIGINAL SOUNDTRACK

MGS4はアレンジされた新録、歌っているのはリスベス・スコットさん。だれかっちゅーと「ミュンヘン」のソロテーマ曲を歌っていたヴォーカリストです。ハリー・グレッグソン・ウィリアムズさんとは「ナルニア」と「キングダム・オブ・ヘブン」でお仕事。ジマー組とはよく組んでいるようです。

最近のなんとも腑抜けたジョン・ウィリアムズ御大の仕事の中では、一番まともというか、飛び抜けていい仕事である「ミュンヘン」のスコア。ラストカットの荒涼とした風景には、あのギターの調べしかないでしょー。なんだか最近ボーッとした仕事の多いジョンウィリ御大が、まるであの映画だけ一瞬正気を取り戻したかのよう(いや、「宇宙戦争」の伊福部も悪くないけど、それにしてもあれはなあ)。

映画「ミュンヘン」オリジナル・サウンドトラック

映画「ミュンヘン」オリジナル・サウンドトラック

さて、MGS4も発売が近づいていろいろと慌ただしくなってきたようです。私はといえば、ノベライズの宣伝ということで6/10のニュータイプ誌にインタビューが載ります。よろしくです。記事にはなりませんが、このインタビューのとき担当編集である角川書店の矢野さんが、

「伊藤さん、このノベライズ、すごいゲームに忠実なのに、キャラ一人だけ変えてますよね?」

と非常に鋭い突っ込みをいれてきたのを思い出します。

伊藤「さすがですね〜」
矢野「ですよね。オタコンなんですよ、それ。ゲームよりずっと童貞臭いんですよ。MGS4の彼、あんなに童貞臭くないですから」

「虐殺」のときも童貞特殊部隊小説呼ばわりされたことがありましたが。でも別に設定とか変えているわけじゃぜんぜんないんですけどね。ただ俺がオタコンを書くとどうしてもそうなってしまう。別にスネークが童貞化したり雷電がDT化したりしているわけではなく、オタコン限定なので、無差別に月光蝶を広げている訳ではないのですが。

というわけで、ノベライズもよろしくお願いいたしますです。

METAL GEAR SOLID GUNS OF THE PATRIOTS

METAL GEAR SOLID GUNS OF THE PATRIOTS