ファン=メーヘレンと時代



病院にいると、テレビの他に見るモノもないのでだらだらとVAIOワンセグを眺めていたら、「フェルメールの暗号」というフェルメール展合せの番組がTBSでやっていて、内容はまあ、ナチとかファン・メーヘレンの贋作とかそういうネタで持たせていたのだれど、そこでふと思い立ってファン・メーヘレンの描いた「フェルメール」ってどんなもんだったのかぐぐってみてちょっと驚いたのは、

パチモン感ばっちり

ということで、何で当時の人々がこれに騙されたのかがよくわからない。知ってて見てるからそう見えるだけじゃねーかと思う人は洋Googleでhan van meegerenをイメージ検索してみるといい。それはどうあがいても「フェルメールにほどよく似た別の何か」にしか見えないはずだ(って、誰かが同じことを書いていた気がするんだが思い出せん)。

これは要するに、フェルメールフェルメールっぽさ、というコードがあって、それは時代ごとに異なるのではないか、ということだ。我々の審美眼も我々の時代から逃れることは当然不可能だ。あの時代、人々がフェルメールだと思ったコードから、我々は解放され、恐らく別の「フェルメールっぽさ」のコードに囚われているのだろう。