わたしはこうしてイブを過ごした

家でひたすらMPOをやる。
ひたすら敵兵を拉致。
拉致。
拉致。
拉致。

時々エアーウルフのDVD。あれ、ぼくが持ってるCICビクターのVHS版パイロットにはないカットがある。エアーウルフ計画がピッグス湾の時にスタートした結構古いプロジェクトだって、このDVDで初めて知ったよ。情報機関のCIAがあんなに露骨な軍用機を開発してたって不自然さを、一応脚本は時期的なものでフォローしようとしてたんだね。あのころのCIAがはじめたことならしゃあねえか、みたいな。あとモフェット博士が携わってたプロテウス計画とやらはホワイトサンズで行われてたプロジェクトだということも今回の字幕ではじめてわかる。昔の字幕ってなんだかんだ言っておおざっぱなのねん。

そしてまたMPO
拉致。
拉致。
説得。

拉致しすぎて流石に疲れたので、ゴールデン街で友人が「原作まんま。すげえ」と絶賛のスキャナー・ダークリーを見に行こうと渋谷に出る。今日が憎むべき恋人達のイブだということをズバコーンとフォーガットンして。

カポーしかいねえ。ファック。と現実を目の当たりにして思い出す。ガッデム。

とか呟きながら一人ユーロスペースへ。上映時間ぎりぎりになるなあ。と思いながら着いた円山町の新ユーロスペース

スキャナーのスの字もねえでやんの。

やられた。先日飲んだ例の友人に「ユーロスペースでやってる」と言われたから素直にユーロスペースに来てしまった。しかしよくよく考えてみると、「スキャナー・ダークリー」がやっているのはシネセゾン渋谷じゃんかよう。

上映開始まで3分。私の足で新ユーロからシネセゾンまで移動できる自信などもちろんあるわけなし。ダム。シット。ブラディー。メルド。などと毛唐の罵倒語を呟く危ない人と化す俺様。だからよう、なんで新ユーロスペースは円山町になんかありやがるんだよう。四面楚歌じゃなくて四面ラブホじゃんかよう。孤独な映画ファンをいじめてそんなに愉しいのかよう。

というわけで、暗闇のスキャナーはまた次の機会にして、せっかくやってきた新ユーロスペースの上の階にあるシネマヴェーラで「ヌーベルヴァーグは50歳になった」特集の、シャブロル「美しきセルジュ」を見ることにする。久し振りにみたけど、えれえ辛い話だなこれ。この窒息しそうなフランスの田舎の空気が、この前見たハネケの「カフカの『変身』」そっくりでぞっとする。フランスの田舎ってみんなあんな息詰まる不条理空間なのか。

ジャック・リヴェットという役の人物(もちろんリヴェット本人ではありません)が出てきて笑う。「ニューヨーク1997」の「クローネンバーグ」みたいなもんか。