押井@ワールドコン
というわけで、オシイストとしては行かねばならんワールドコン。というのも、
http://animeanime.jp/report/archives/2007/09/post_64.html
という催しがあったからで、これとテッド・チャン・インタビューが目的だったわけです。とはいえ、SFな知り合いがいるわけでもなく、ひとりで会場に。横浜市民は市民割引で安く入れたらしく、証明も大して必要ではなかったらしいのだが、当たり前だが正直に正規料金を払って登録する。横浜市民判別官でもいるのだろうか。オスメス鑑定士みたいな。横浜市民でないとわかったとたんに投光器あてられて囲まれるとか。
というわけで、押井さんのパネルですが、ご存知、なんでこんな企画が通ったのかすこしふしぎ(SF)な「真・女立喰師列伝」をめぐるパネル。とはいえ、大半は
http://d.hatena.ne.jp/paraselene/20070902/1188746387
の方が載せていらっしゃるので、私はオシイスト的な補足をしようかと。
できたてほやほやの予告編、押井パートの「ASSALT GIRL ケンタッキーの日菜子」を見た感想はまあ「これなんてガルム?」
砂漠の惑星(地球らしい)に降り立った甲冑姿の佐伯日菜子は、昔見たGRMの実写予告を思い出さずにはいられないビジュアルで、オシイスト的には
「押井さんは『G.R.M』をまだ諦めていないんだなあ」
と確認できてほっとしたというか希望を持ったというか。この甲冑に予算の大半をつぎ込んだらしく、かなりバイオメカニカルなディテールが東欧SF的でかっこいいスーツになっております。
なぜこれがガルム度が(「ガルム」の沈没で、その縮小版として制作された「アヴァロン」よりも)高いかというと、戦艦が出てきて、全身甲冑が出てきて、軌道上からの降下があって、砂漠が出てきて、さらに「ガルム」で使用予定だった(当時、ロケハンで遭難した)大島で撮影したから、と、まあこれだけガルム成分がそろっているいるわけです。
さらに言うと、この日出た新情報(だと思う)。佐伯日菜子はガルムの主人公(というか当時発表されていた撮影プランだと、甲冑着た身体はたぶん舞踏家がやるので、顔だけハメコミかもしれませんが)にキャスティングされていた、と。これはもうガルムでしょう。
というわけで俺の目論みとしては、DVDが発売された暁には、ぐでんぐでんになるまで酒を飲みながら、「アヴァロン」とこの「ASSALT GIRL ケンタッキーの日菜子」を交互に視聴すれば、俺ガルムが脳内にゲシュタルトを結ぶのではないかと、わりと本気で考えているわけです。まあ、ほんとうに低予算なのでCGとかはそれに見合ったチープ(でも想像する予算を考えると、明らかにオーバーワークな)なものでしかありませんが、それでも「ガルム」をいまだ待望する人は、このために映画館に行っても良いのではないか、と思った次第であります。言ってみれば、激安ガルム、という感じ。
ちなみに、このパネルのログを残してくれたid:paraseleneさんは、この前の円城さんとのセッションについても労作を残して頂いて、感謝しております。ちなみに、私が書こうと思っていた(というか、書いて一時期WEBにも載せていた)小島さんのSSというのは、「スナッチャー」という、もうメタルギアしか知らない世代も大半のいまとなっては忘れ去られつつある名作のことです。いまでも面白いゲームだと思うので、手に入れられたらやってみるといいかも、です。
余談:
某動画サイトに「G.R.M」アニメーションパイロットがあって久しぶりにみた。やっぱこれすごいわ。実写じゃなくてアニメでもぜんぜん構わないんだけど。