ロスト・ワールド

友人の糸杉氏とK氏がお見舞いに来てくれたので、吉祥寺でダラダラと話す。というか、ぼくが一方的に語っていただけのような気がするけれど。

90年代には70年代ブームがあり、いまは80年代ブームと言われているけれど、90年代ブームはその後にくるのだろうか、といういわゆる「失われた10年」系の話。自分で話しておきながらなんだけれど、本当に非生産的である。これがオタクだ。

ぼく個人の感触としては「こない」んじゃないか、という。それこそ「失われ」てるわけだし。あの時代でリバイバルされそうなものって何もないような。ぼくはその空虚こそをとっても愛しているので、いまは耐え難く、80年代に青春が来ていたらと思うとぞっとする。90年代を引き受ける人間の不在を、ある方とお話したことがあるのだけれど、あの「みんなすでに死んでいる」感じと漫然と生きていくこと、全力で後退していくこと、を誰か引き受けないのだろうか、と僕は思う。

モラトリアムは状況でなく、倫理だった、と誰かが言ってもいいのじゃないか、いまあえて。

お見舞いにもらった「MONOクロ」のspecial thanksに、自分の名前があってびっくりする。ほんのちょっと手伝っただけなのに。まじめでやさしい人である。

ちなみに、私の原稿はいま全力で直し中です。よろしく。
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/issue_schedules/book/list.html
あ〜!ボウデンの「ホメイニ師の賓客」出てる!