バッグから突き出すポスターの畑

地元で、「美しき野獣」を見ようと、劇場に足を運ぶ。

観客の数、約20人強。

男、俺だけ。

なんなんだこれは。チケット買った時に「もれなく」付けられそうになったポスター(ぼくはいらないので貰わなかったけれど)を、ご婦人がたは「もれなく」貰っていて、それが劇場の座席から卒塔婆のように突き出して立っている様は、アキバのイベントに来てリュックからポスター筒突き出しているコムラード達の有り様を思い起こさせて、愉快である。しかも、上映前の座席をざっと見た感じ、俺より若い女性はいないようだった。70年代中盤生まれの俺なのに。

そして、映画が始まると、いきなりカーチェイスで、川井節バリバリの川井憲次劇伴がドカドカ鳴っていて、これをこの御婦人方はどのように受け取るのだろうか、と不安になった。会社の同僚の女性は、俳優を追っかけて韓国に行ってしまうほど韓流スターにハマっているが、この映画を「イマイチ」「なんだかよくわからなかった」と言っていた。

んなことはなく、そこそこ楽しめる映画ではあるのだが、しかし、なんというか、映画とは別のところで、異様な映画体験をさせてもらったのでした。

なんというか、この映画、クォン・サンウ主演というのに引っぱられて、届ける層を(宣伝側に)間違えられてしまった可哀想な映画のような気がする。売るにはそれがベストなのはわかるけど、本当は新宿あたりで見て、もっといいツラしたオッサンが観客席に並んでいてもいい映画なのに。