ファットマン

きょう撮影した証明書の写真をいま見て、光学器機というやつの冷酷無情な客観性に痛めつけられた。鏡で見るより100倍醜い脂肪の付き方だ。きのう見に行った「ドッジボール」のエンディングで、ヴィンス・ボーンが言っていた「あなたはそのままで完璧です、でも健康にちょっと痩せてみたいな、と思うなら当ジムへ」これはオープニングで悪役がやるビデオの裏返しであり、この映画は基本的にダメ人間およびボンクラ賛歌であるため、このエンディングで流れるこのひとことには正直ぐっと涙ぐみかけた。「ドッジボール」みて泣きそうになった人間は全国でも俺ぐらいかと思うが、よくかんがえれば、いや考えなくともこんな怠惰な現状肯定はないわけで、「いまのままの君でいいんだよ」なんてまるで花咲く乙女たちのキンピラゴボウ(C)橋本治でわないか。俺は乙女だったのか。関係ないが、「暴力的なスポーツの起源は中国でよかんべ」という男塾的ギャグ感覚がアメリカにもあることがわかっただけでも「ドッジボール」は満足である。

つまり、俺は先週同僚の女性に「伊藤君最近、エルトン・ジョンに似てきた」とものすごい暴力的な言葉を言われ、そのダメージからまだ立ち直れていないわけだ。その上きょうの証明写真の惨状である。これはヤバすぎる。いや、確かにウォシャ弟やPJやギレルモ・デル・トロを引き合いに出して「これからはデブオタの時代だ」などとほざいていた記憶もある。だがこれはマズい。

しかし、俺にできる有酸素運動ってなにがあるのだろう。それが問題だ。

余談だが、フンドシ日本人の登場に怒っている真面目な人もいるようだが、この映画の場合、カナダ人チームにしても「ランバージャック」というあんまりな扱いであり、そうでなくとも様々な人種ネタがテンコなので日本人だけがネタにされているわけではないことを分かってやってください。