勘定の問題

 タワレコで「ダーク・ブルー」を買おうと探していたら、新作の棚に「メディア」が置いてあるのを見つけた。単品で。

 隣を見れば「エレメント・オブ・クライム」「エピデミック」が並んでいる。単品で。

 思い出す。3月に「ラース・フォン・トリアー 初期監督作品DVD-BOX」が出たとき、ぼくはイノセンス金欠で歯を嚼み嚼み我慢したことを。バラで買えるようになったのか。まだBOX発売から1年たっていないのに。そこでふと思い立って「ら」の欄に行くとそのBOXはまだ二つも並んでいた。1,4805円。

 はて。

 引き返して「エピデミック」を手に取る。ラスト、空撮にかぶるクレジットに、エピデミックなんたらかんたら〜エピデミックなんたらかんたら〜」とタイトルを連呼する主題歌が流れるので、すわキングゲイナービッグオーか、と思う人はあまりいないと思うがしかしやはりタイトル連呼というのはアニメだ。しかもそれがヘボいニューウェーヴくずれなのでトリアーの音楽の趣味はやはり悪いと思い知らされる。「奇跡の海」や「ドッグヴィル」でいくらボウイにリスペクトを捧げていても手後れである。

 というようなことはどうでもよく、問題は値段である。「エピデミック」3,990円、「メディア」3,990円、「エレメント・オブ・クライム」3,990円、映像特典とか特になしの3作品BOX、14805円。

 勘定のあわなさ、プライスレス。

 一言で言って、BOX、買わなくてよかった(ホッ)。