It's a perfect organism...Unclouded by conscious, remorse, or delusions of morality.

 私がイアン・ホルム(いまはすっかり『ビルボ・バギンズのひと』になってしまいましたが)好きだというのもあるけれど、今1作めを見返してみていいなあ、と思うのはエイリアンやリプリーよりもむしろ、アンドロイドのアッシュですね。

「正対しているものの何たるかを、諸君は未だ理解していないのかね? 完全生物だ。その純粋さには感嘆せざるを得ない。自己保存のためには、意識にも、後悔にも、倫理にも惑わされることがないのだから」

 私は「1」を見返して、ここでものすごく興奮してしまったのですが、それはこのセリフがどう聞いたって告白モードにしか聞こえなかったからなのですな。

 ここでのアッシュははっきりエイリアン萌えでしょう。会社の命令がなくとも乗員をジェノサイドして、地球に到着し「会社」によってふたり引き離されるまでの旅路、無人のノストロモ号の船内でエイリアンとの蜜月を送ったのではないかというくらい萌えている。ここの台詞はどうみたって「会社の命令」というアッシュの行動原理から逸脱している。
 「2」のランス・ヘンリクセン演じるビショップも好きなのだけど、「どっちが人間的か」という質問を立てた場合、私はアッシュだと答えますね。ビショップは「ぼくだって恐いさ。シンセティックは馬鹿じゃないからね」と「恐怖」を語るものの、しかしやはり人間には最後まで忠実であり、善意あるロボットの域を超えることはないわけですが、「エイリアン」のアッシュは明らかに会社の命令などどうでもいい感じがする。

 エイリアンすごい。エイリアンカコイイ。エイリアン萌え〜。そんな激しくもクールな萌えがアッシュからは伝わってくるのだ。