極大射程

予告編。
http://www.apple.com/trailers/paramount/shooter/

「CGを使った大作に飽き、日本人は個々の人間を描く日本映画に・・・」ていう「邦高洋低」ニュースでテレビに流れた吐き気のする言葉。こういう人には「どろろ」を100回見てもらいたい。ルドビコ療法状態で。

映画に「人間」を求める人々、いやそれはぜんぜんかまわないしぼくも大好きなんですけど、それのみを至上の価値とする人々、なんとかなりませんかね。

ぼくは「極大射程」の予告編を見て、心の底から「90年代に日本映画なんか潰れてくれればよかったのに」と思った。CG万歳。火薬万歳。アクション万歳。アクション映画がまともに作れるようになってから日本映画は出直してくるべきだと思う。「フリージア」であたしゃホントがっかりしたよ。この国は銃撃戦ひとつまともに撮れないのかと。

「エレクション」はその点、銃が出てこないというのにものすごくアクションしてた。崖の上から「木箱」落とすところとか、頭をガシガシ岩石(あの物質感は「石」「岩」っていうより「がんせき」だよな〜)で潰すところとか原チャリがトラックにぶつかるところとか。「トゥモロー・ワールド」以降、これぐらい観ないとアクション見ている気がしない。ああ、そうか、あれって観客により強い刺激を求めるよう仕向ける、映画不感症装置だったのか。

あれ?アクション映画で信用できない国って、日本だけだなあ。

とはいえ、フークアなんだよな、「極大射程」・・・まあ、「キング・アーサー」はそれほど嫌いじゃないんですけど(ついでに言えば「ティアーズ・オブ・ザ・サン」ですらそんなに嫌いじゃないんですけど)。「リプレイスメント・キラー」という大罪は「トレーニング・デイ」を以てしても埋め難く・・・。

「どろろ」を見て思ったんですが

ガメラ」で一番ダサいと思ったのが短SAMが沢山カメラに向かって飛んでくるカットなんですが、

消失点を画面のド真ん中に置いていて観客に何かが飛んでくる、ってカット、私もの凄く耐え難いんですが。「どろろ」の空中戦、アレなんですか。なんでああいう壊滅的なレイアウトをCG屋さんや特撮屋さんは組みたがるんですかね。物体が消失点隠しているので、近づいてくる感とかゼロだし。

あれって、みなさん平気なんでしょうか。消失点を上下左右どこかの奥にちょっとでもズラせばマトモになるのに。なんであんな観るに耐えない構図を平気でやりたがるのか、ちょっと不思議。

代休の日

御茶ノ水にモニタにCTを撮りにいく。

3ヶ月に一度、今日は執行かと怯えながら生きる死刑囚の気持ち。
ぼくは3ヶ月刻みで生きている。

肺の外縁に影。9割がたドレーンの術創だとは思うが、念のためひと月後に再レントゲン。死の影につきまとわれるのに、いいかげん慣れたいけれど、いつまで経ってもぼくは死に寄り添って生きることができない。「自分はまだなにもしていない」というナルシシズムのせいだろう。この歳になって「なにもしていない」もないもんだけど。

帰りに神保町の映画古書へ取り置きしてもらっていたブレッソンの「シネマトグラフ覚書」を取りにいく。去年の9月あたりに復刊されたはずなのに、すでに店頭から消え去っている。紀伊国屋の検索にひっかかったものの、新宿南に実際に行くとそこにはなかった。古書店の人にきくと、ちくまはたった2000部しか刷らなかったらしい。なんじゃそれ。


「ボーズの○○タイム」のDVD-BOXを買う。ファミ通のなかでここ、とポルノ鈴木周辺だけ、昔のアスキーノリというかヤマログ/バカチンぽいノリが残っている気がする。

帰りにTSUTAYAハルヒを借りにいくと、ハネケのDVDがずらっと並んでいた。一斉リリースされたのかな。「セブンス・コンチネント」「ベニーズビデオ」などなど、現代イヤ映画大賞を穫れそうな映画ばかりTSUTAYAの新作棚にかわいくおさまっているさまが微笑ましい。というわけで、ぼくも「タイム・オブ・ザ・ウルフ」をハルヒといっしょに借りてきた。