バレンタインにミュージカルを観る

幸福な奴らが街を闊歩している。世間で言うメイジャー・ヴァレンタイン(GHQ参謀部G2)が焼跡の子供にチョコレエトを配給した日である。浅倉大佐もこの渋谷の有様を見たら原爆は渋谷に落とすべきだったと思うだろう。

というわけで、一人で幸せになるにはどうしたらいいか。

答えは簡単である。ユーロスペースに行って「鴛鴦歌合戦」を見ればいいのである。

というわけで、俺はバレンタインの夜を「鴛鴦歌合戦」を見て過ごした。隣でやってた「空中庭園」には女性客がたくさん入っていたが、どちらをみたほうが幸福かは明白である。

ひさしぶりに見たけれど(大学のライブラリで観て以来だ)、ヒロインがものすごいツンデレである。しかもヒロインは3人も出てくる。主人公はSNEGそれなんてエロゲ?)と言いたくなるくらいモテモテである。志村喬が歌がうまくてド肝抜かれる。千恵蔵はひたすら宴会に耽るのでほとんど出てこないのでびっくりする。

幸福である。わたしはビスタ派だけれども(スピルバーグはビスタ派である。「ミュンヘン」ではスコープ使ってるけれど)、この映画を見るとスタンダードというのがいかに美しく無駄のないサイズであるかを痛感できる。実に遊び心がたっぷりの映画であるのに、画面に関して言えば、機能しない部品がひとつもない完璧な機械を観ているようで、すべてが猛烈な勢いで物語だけに奉仕していく様はあっけにとられる。

それにしてもこの映画で一番かわいいのは志村喬であろう。ほとんど萌えキャラである。

どうでもいいが、先週観た「PROMISE」のニコラス・ツェーはほんとんどFFである。前髪とか。あの映画自体がFF(ゲームのほうね)みたいだったのだが、俺の中にはFF顔というジャンルがあって、例えばタッキーあたりは見事なFF顔なのだが、あの映画はニコラス・ツェーの顔とCGという組み合わせによって、FF化することを宿命づけられていたと言える。