ウメヅ

  • 「蟲たちの家(黒沢清)」
  • 「絶食(清水厚)」

を見る。整理券をもらうものの、10分前ですでにユーロスペースは満員。ユーロ恒例の屈辱ミニ座布団で通路鑑賞。やられた。こんなに盛況とは(というわけで、明日に行く人は用心のこと)。

テレビ用なのでスタンダードサイズなんですが、「蟲たちの家」はミョーなつくりの家をそんなフレームでいかに使い倒すか、という技の見本市みたいなフレーミングがタイトで面白く、ドメバの予感を説得力持ってオーラのようにまとう西島秀俊が、突発的に皿を割ったり車のハンドルにあたったりするソリッドな暴力の行使は、無闇にテンションが高く心踊る。皿を割っても、ホーンを闇雲に鳴らしても、それで誰も死にはしないが、不思議とここ数作の黒沢作品の暴力では一番びびったしテンションが高かった。

黒沢作品なのでもちろん撲殺も登場。構成が「薮の中」なので、ホラーというよりはミステリになってしまってはいるのですが、それでもラストにアレを堂々と出すツラの皮の厚さは流石。