SF出会い

 毎日のようにyahooアドレスを使った出会いメールが大量に届き、「以前メル友募集してましたよね?」などと身に覚えのない言葉で不幸なパラサイトシングルを陥れようとするのだが、今日きたメールにこんな一文があった。

趣味は旅行以外では読書で、好きな作家は筒井康隆さんです。

そういや以前「SF専門出会いサイト」という題のメールがあって、SFファンたちが大笑いしたものだが(「誰と出会えるんだ?両手の指にカミソリ仕込んだミラーグラスのねーちゃんか?つれない態度の戦闘機搭載AIか?抗争から遠ざかるためにロンドンの子分(コブン、とルビをふること)にやってきたヤクザの大物の娘か?」)、これも筒井ファンの女性、という微妙な造型が面白すぎて、確かに筒井読んでる女性だったらおつきあいしたいものである、出会い業者もなかなかやるな、と思いつつも、やはりその女性は笑うとき「イヒヒヒ」「ケケケ」などと笑うのだろうか、と下らぬ想像をしてしまう(なぜ妄想が「七瀬みたいな女性」という美しい方向にいかないのかは俺にも謎だが)。