おとぎの国のゴルバチョフ

 E3も終了し、ネットでメタルギア情報を入手しようといろいろめぐっていたら、なんだかすげえ自分が老人のような気がしてきた。思わぬ方向からの落ち込み。

 というのもね、なんだか、メタルギアファンのみなさん(海外の方も含めて)、ソ連、という国に実感がないみたいなんですよ。いや、もう存在しない体制に実感を持てってのも無理な話なんですが(そもそも、国家というシステムに『実感を持て』ってのが無理な話だとは思うんですが、それはまあ、おいといて)。

 70年代なかばに生まれた自分らの世代は、たぶんソ連という国の存在を実感できる、最後の世代なんじゃないだろうか。ソ連が無くなったとき、何歳だったか。スターウォーズ計画、アフガン撤退。映画館にいけば、ランボーがアフガンのソ連軍を敵にまわして撃ちまくっている。テレビニュースではレイキャビク会談が決裂し、米ソ両国がふたたび軍拡路線へと傾きはじめたことを伝えている。

 そんな時代の最後に、ぎりぎり自我らしきものが芽生えた自分らと、いまゲームをやる20代前半/10代後半の「世界」はまるで違う。そんなあたりまえの事実が、しかしやっぱり「大台を前にしていまだオタク」の自分にはショックだった。

 あるところでフルシチョフについて「ソ連大統領」、って書いてあるのを見て、ちょっとショックだった。いや、ソ連が崩壊する直前にゴルバチョフ大統領制を導入したけれど、ソ連のトップといえば書記長(正確にはフルシチョフの頃は『第一書記』だったのだけど)、というのが常識以前のものとして知っている世代と、そんな表記の細かさがどうでもいい世代。やっぱり、それを生きていない人々にとってはどうでもいいことなんだ。もうソ連は「歴史」になってしまったんだ。それが今日、ものすごい勢いで心の奥底に叩き込まれた。

 歳とった・・・。