ヴィタール

 さて、実は「鉄男II」のコメンタリーを聴いていないので(持ってない。まだ買えるのかしら)、実はこれが塚本コメンタリー初体験なんだけど、これの対談相手が小島さんだったりして、なんだか妙な気分だ。塚本さんというのは、舞台挨拶とかの印象で思い出す限り、こう言ってはなんだが愉快なオッチャンなので、コメンタリーは絶対面白いだろうと思っていたのだが、相手が関西人の小島監督である。

 いや、買ってきたばかりでまだ聴いて(観て)ないんだけど。

 MGSファンにとっては、1時間半小島さんがしゃべくるけっこうなファンアイテムではあるわけですが、メタルギアサイト界隈では誰も触れてないようなので、一応(小島ファンやりつつ映画ファンって、やっぱ少ないのかしら)。

ウメヅ

  • 「蟲たちの家(黒沢清)」
  • 「絶食(清水厚)」

を見る。整理券をもらうものの、10分前ですでにユーロスペースは満員。ユーロ恒例の屈辱ミニ座布団で通路鑑賞。やられた。こんなに盛況とは(というわけで、明日に行く人は用心のこと)。

テレビ用なのでスタンダードサイズなんですが、「蟲たちの家」はミョーなつくりの家をそんなフレームでいかに使い倒すか、という技の見本市みたいなフレーミングがタイトで面白く、ドメバの予感を説得力持ってオーラのようにまとう西島秀俊が、突発的に皿を割ったり車のハンドルにあたったりするソリッドな暴力の行使は、無闇にテンションが高く心踊る。皿を割っても、ホーンを闇雲に鳴らしても、それで誰も死にはしないが、不思議とここ数作の黒沢作品の暴力では一番びびったしテンションが高かった。

黒沢作品なのでもちろん撲殺も登場。構成が「薮の中」なので、ホラーというよりはミステリになってしまってはいるのですが、それでもラストにアレを堂々と出すツラの皮の厚さは流石。