地獄の制動

マーク・ボウデンの「ホメイニ師の賓客」を読んでから、イラン大使館事件について時々調べているのだけれど、ある日、幾度となく見ていたはずのwikiにこんな記述があることに今更気がついた。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%BC%E4%BD%9C%E6%88%A6

デルタにとって無惨な初陣と化したイーグル・クロー作戦の失敗を受けて、

このイーグルクロー作戦の失敗を受けて計画されたのが、Credible sport作戦である。

え?そんなこと「ホメイニ師〜」にも書いてなかったような(読み飛ばしたのかな)。

これは、3機のC-130にロケットエンジンを搭載し、STOL機として改修を施しサッカースタジアムに着陸してデルタフォースを展開させ、人質を救出すると言うものであった。 しかし3機のうち1機のYMC-130Hは試験飛行中に墜落し、2機目の同機は火災を起こし緊急着陸するという結果に終わり、作戦自体が中止になった。

C-130にロケットエンジンを搭載してSTOL化。馬鹿すぎる。ロケットエンヂンをハーキュリーズに取り付けて制動。かなり馬鹿兵器度が高い。とか思ってぐぐったら、なんと、動画があった。

何か生暖かい液体が頬を伝いかねない、そんな壮絶な映像である。前方に思いのたけをぶちまけて制動しようとするC130の文字通り熱い姿が、我々の感動を誘う。これ、テストパイロットはどうなったのだろう。これを一緒に見た人間は、「でも、C130てこんな役目ばっかだよな。AC130とかは成功しているほうだけど」。確かに。困ったとき、とりあえず改造するならC130。失敗しても責任は持てないけれど。

これ観ると、ロケットエンジンで加速するシャホゴッドってそれほどバカ兵器じゃないような気がしてくる。