ミュンヘン(2)
萌えポインツ。不謹慎モード。ネタばれ全開。バレてつまんなくなるような映画ではないが。
- モサド本部っぽい会議室。閣僚や軍人が雁首そろえた会議。老婆(ゴルダ・メイア)が言う。「彼らが共存を拒むなら、我々も共存する義務はない。違うか?」きたああああ。サッチャーといい、インディラ・ガンディーといい、どうして女性の国家指揮権限者はこう右っぽくなるのだろうか。萌え。
- というか、この冒頭近くの会議が「ミュンヘン」で一番興奮した俺ってどうよ。
- ゴルダ・メイア役のリン・コーエンの声に痺れる。ドスききすぎの低音が凶悪。
- 原作のゴルダ・メイア公邸(ふつーのアパートっぽいのがナイス)にはザミールのほかにシャロンもいるんだが、映画には登場せず。ちぇっ。
- まあ、シャロンはあんなことになってしまったので、出さないという決断は賢明としか言いようがないのだが。
- ジェフリー・ラッシュ演じるケースオフィサーの小役人っぷりがたまらん。
- 70年代ヨーロッパを見ているだけでけっこう楽しい。
- というか、あの時代のラジオの操作盤とか、まあるいブラウン管のテレビとか、小道具類の作り込みが丁寧であればあるほど、「フィクションとしての70年代」という箱庭感が強まってくるのは皮肉としか言いようがないんだが。
- とはいえ箱庭大好きポンニチのアニオタとしては問題ナッシング。
- いくつか72年当時にはなかった銃器が出ている気がして仕方がないのだが。
- パリという風景は「戦後という空間」として固着してしまった空間なのではないか、と思うほど70年代にも60年代にも80年代にも見える。
- 「飛行機キーン」とか「車でブーン」みたいな都市間の移動カットなしでいきなりパリからアテネに移ってるような繋ぎ方をしているので、混乱する人がいるかも。
- スイス銀行はスパイの基本です。
- 暗殺チームでは「掃除人」のシアラン・ハインズが一番いい味出してる。「トータル・フィアーズ」のネメロフ大統領とは別人に見えるな。腹出てるし。
- マチュー・カソヴィッツを見ると庵野秀明を連想する。
- 次世代ボンドのダニエル・クレイグは一番陰が薄い。
- 繰り返すが「70年代西欧という箱庭」を見ているだけで幸福になれる人間には至福の映画といえよう。
- 「ル・グループ」のルイを演じたマチュー・アマルリックがキャラ的に立ちまくり。犬つれて高級スーツ着て接触してくるんだぜ。
- 「ル・グループ」の「パパ」って、ルベル警視じゃん。
- 劇場では誰も笑ってなかったけれど、女装大作戦とか、けっこうギャグがある。
- CIA連中の中指おっ立てに爆笑。
- パイプ銃ってものすごく作れそうな気がしてくる。
- ヘブライ文字ってタイポグラフィ的にかっちょいいな。
70年代のアメリカ政治映画スパイ映画大好きな俺にはツボ押しまくりの至福のような映画でしたが、それ以外の人が楽しめるかどうかはまったくわかりません。