amazon:ファミコン 20th アニバーサリー オリジナルサウンド・トラックス VOL.3ASIN: B0001N1KZU

 ダババで決定。
 3枚全部買う金はなかったので、どれにすんべか、とラインナップを見たら、迷う余地はなかった。ダババ、ザナック、ドラキュラ、のラインナップですでに最強に近い。それに加えてソロモンの鍵マイティボンジャックがあるとなれば、オールオッケーだ。

 懐かしい、という言葉はしかし、なんだかこの曲たちを貶める気もする。いま聴いてみて、なんでファミコンの音楽は、あんなに突っ走っているのだろう、と思った。何が、というと、メロディーが、だ。
 立ち止まったら死んでしまう、そんな切迫した想いとともに、PSGのメロディーが繰り出されてゆく。メロディー、メロディー、メロディー。そこにあるのは、メロディーのたえまない連なりたちだ。間を作ることはできない、それはファミコンの音楽にとって死を意味する、そんな声が聞こえてきそうなほどに、このCDにおさめられた曲たちはひたすら音符のつらなりとして走り続ける。それが、PSGのひたすら重い低音とともに、このCDに異様な迫力を与えている。
 もちろん、PSGという音源の貧弱さで、豊かな間をつくるような曲はできなかった、という見方もあるだろうし、おそらくそれは正しいのだろう。けれど、その制約がもたらしたメロディーへの貪欲さ、この迫力を、いまのゲーム音楽は持ち得ているだろうか。「ふつうのおんがく」になってしまった今のゲーム音楽は。
 止まるな、鳴らせ、鳴らし続けろ。
 ファミコンは、そしてPSGは今も叫び続ける。