土曜日

寝坊して「グッドナイト・アンド・グッドラック」の試写に行きそびれる。タダで映画が見れるチャンスを逃すことほど悔しいことはない。これも昨日の仕事が遅かったためであり、つまりはxmlデータベースの処理の遅さがページ作成者に迷惑をかけているためである。ガッデム。仕方ないのでシネマヴェーラにて加藤泰特集。なんと満員に近くて席を見つけるのに一苦労。「明治侠客伝 三代目襲名」。この前から鶴田浩二ばっかり観ているので、そろそろ鶴田浩二ファンになりそうな勢い。前からそうなのだが、の前観た「寝ずの番」のパンフのマキノ雅彦の写真と、この映画の頃の津川雅彦がどうにも繋がらなくて気持ちが悪い。どっかで死んで入れ代わってるんじゃないかという妄想にかられる。
「炎のごとく」はとにかくヘンな映画だった。編集も変だし、アングルも変だし、何より長いし、時代状況の説明を入れるテロップの入りかたもヘン。というか、川や温泉(セットだけど)の中に入ってまでやるローアングルへの執着もヘン。ガラスの仕切り立てて、水面割ってカメラ入れてるの。なんなんだこれ。

日曜日

トム・ヤム・クン!」と「アンダーワールド・エヴォリューション」。うーん、「マッハ!!!!!!!」ほどうまく流れてないなあ、って印象。お話とか編集とか。前作より雑になった気がする。ただ、明らかに「それ入ってるだろ」っていう打撃系はびびる。ヤバくないかあれ。代わりに、今回のメインアームである関節系というか決め技系は、「グキ」いう効果音でだいぶ騙されている気がしなくもない(数こなしているので、どうにも雑になってしまうのだ)。ただ、やっぱ構造不明の螺旋階段ワンカット駆け上がりファイトの超長回しは圧巻。映画が耐久レース化するとは思わなかった。アクション映画ですげえ長回しって、ほかになんかあったかなあ。ジョニー・トゥの「ブレイキング・ニュース」冒頭ぐらいか。「マッハ!!!!!!」と違うのはこういう映画的な小技(いや、この映画の長回しは『小技』じゃぜんぜんないけど)を出してやろうという作り手の色気があることで、それが妙な感じで出現してしまったのが謎のぼんやりフィルターの仕様。冒頭の象と和む日々とかで使われるあいだはまだいいんだが(それでもしつこいので笑いが込み上げてきてしまうけど)、これがふつーのシーンとかで唐突に使用されると、意味不明さにドキドキしてしまう。すっげえ変。
アンダーワールド〜」は、唐突に場所不明化しててびびる。前作っていちおうアメリカの都市じゃなかったの?だってアメリア卿(今回鎧を着て登場)ってヨーロッパから来た、て言ってたじゃん?いきなり東欧っぽい場所でどうなってんねん。というわけで、今回はひたすら山、山、山。前作のようなゴス天国を期待するとちょっと残念な感じ。なにしろ前作は建築といい、衣装といい、蒸気機関車といい(え?)、ゴス映画ナンバーワンに近いゴス濃度だったからな。今回はそういう美術的な色気は皆無で今度は戦争です。前も戦争だったけど。前作観て「なんたら卿」が沢山いるので、ヴァンパイア社会ってけっこう規模があるのね、とか思っていたら、結構な田舎領主のセコい集まりであることが今作で判明。ただ、ローマ役者といったらこの人のデレク・ジャコビ(「グラディエーター」で議員やってた人)が出ていたので、老人スキーとしてはときめかざるを得ない。かなりおいしい超越者を演じております。