ニヤける岸田森

最近、京極作品を集中して読んでいたせいもあって、「姑獲鳥の夏」(すげえ、OSXことえり「うぶめ」一発変換しやがった)のDVDを買ってきた。コメンタリーマニアなので、目当ては当然ソレである。

気になるのは、京極さんがやたら「原口さん」「原口さん」と特殊造型の原口智生さんのことを知り合いのように呼ぶことだ。以前の作品で関わりがあったのかな。この映画で知り合ったのかな、とかいろいろ考えた。京極さん、ラストの館炎上で「呪いの壷」を引き合いに出すので、特撮マニアということも考えられたが(まあ、「妖怪馬鹿」とか読むと実際そうらしい)、どうにもしっくりこない。

あ、妖怪マニアつながりか。原口智生といえば、妖怪だもんな。

というコメンタリーを聞いていたら、急に「怪奇」が観たくなってきてDVDを引っぱり出す。「呪いの壷」の寺炎上は今観ても凄まじすぎる。ていうか、「姑獲鳥」負けてるよ、おい。ちなみに「姑獲鳥」の館炎上のコメンタリーでは、実相寺さんが「呪いの壷」のラストに触れて「(本物かと思った)檀家から電話がすごかった」という有名な逸話に触れておりました。

勢いで「京都買います」をひさしぶりに見る。が、岸田森が終止エロ笑いしているのがおかしくてしょうがない。なんだこれ。昔観たときは「すげえ!実相寺アングル炸裂だぜ!」とか感じ入って真剣に観ていたような気がするが、今見るとヒロインの仏像マニアっぷりがいちいち可笑しくてしょうがない。俺達は「見仏記」を嫌が応にも通過してしまったのだ、みうらじゅんの影響は呪いに近い、という事実を再確認する。

しかし、「ヒロインに恋心を抱く」という物語であることを前提にしても、岸田森の煩悩スマイルが(しかもジッソーさん監督なのでどアップだ!)ものすごい勢いで尺を喰い尽くすことに、やはり笑わずにはいられない。岸田さんのニヤけが頭から離れなくなってしまった。