裸の銃を持つ男33.0
わたしは憶えている。1作目だ。マクレーンの奥さんが家に電話をかけるシーン。
- lucy:"Lucy McClane speaking"
- holy:"Hello, Lucy McClane. This is your mother speaking"
あのときの女の子が「ダイ・ハード4.0」では予告編のようになって出てくるわけである。
オンエアでは坂本真綾が声をあてていたあの幼女が、成長してメアリー・エリザベス・ウィンステッドになったわけである。メアリー・エリザベスだがマストラントニオではない。ファイナル・デッドコースターの彼女になったわけである。ただ、「1」ではブロンドだったような気もするが。
http://www.youtube.com/watch?v=5IfRb-sWuDk
しかし、元サイバーパンクスとして言わせてもらえば、「サイバー」がすでに香ばしいというのに、「サイバーテロ」という単語はかなり恥ずかしくないだろうか。スターリングが「Cの字は終わった」と宣言した後に、ビリー・アイドルがアルバムのタイトルに「サイバーパンク」と付けてしまった悲劇を、我々は忘れるべきではない。
では代わりは何か、というと思い浮かばないのだが。
「デジタルインフラテロ」
長いか。
「デジタルテロ」
デジタルという単語が既に香ばしいような気もする。
「電脳テロ」
サイバーと同じ香ばしさを感じる。
「ネットテロ」
規模が小さそう。中三あたりが黒幕感。スタンドアロンでネットじゃない場合はどうなのだ、という基本的なつっこみもある。
「バイナリーテロ」
そういうハドソンのゲームがあったような。どうでもいいが、ベア「女王天使」のバイナリーミレニアムはいま考えても強引だ。んなもん世界中の人が祝うとは思えない。せいぜいmixiニュースにひっそり表示されて大して日記を書く人間も出ずに終わりだろう。
「エロテロ」
インリン限定。
「コンピュータテロ」
普通。ぱっとしないが、超ふつうすぎてつまらないこのあたりがよいのではないか。
「テロ2.0」
よくわからないが、デジタルであることは間違いない。
なんにでも「2.0」と付ければいいもんじゃない。
意味が分からないが、2.0を付けると自動的に香ばしさが出るような気がする。
- スピルバーグ2.0
しかしこれは強そうだ。
「テロ2.0」など、5年後を想像するとかなり恥ずかしいと思う。佐藤大氏が、近未来小説っぽい文章で「3Dテトリス」と書いていたのを忘れないようにしたい。「亡国のイージス」に映っていたアキバはメッセサンオー前の映像が、香ばしくなる日がいつかは来る。もう来ているか。いや、とにかく未来を書く事は危険なのである。しかし、検索したらすでに「テロ2.0」と言っている人がいる。手遅れであった。言葉は書く前に気をつけたほうがいいと思う。
未来について文章を書く人間は、「ウェブ進化論」などを読むより、「ガーンズバック連続体」を読んでおいた方がいいのではないか。
明日はアメリカン流線形モデルヌの我が身と肝に銘じつつ。