「ダークナイト」のアニメ並みに制御された画面構築力について


諸事情あって、画像がえらく汚くてすんません。

さて、


Q:上の画像は「ダークナイト」の一場面です。それはどこでしょうか。
A:ゴッサム地方検事ハーベイ・デントのオフィスにいるゴードン警部です。


そうですね、で、問題は背景です。背景をよ〜く見てください。何が見えますか。ゴードンさんの後に、何が見えますか。そうです、ファイルキャビネットか本棚か、とにかく本か捜査資料のようなものが書架に並べてあります。この書架が問題なのです。汚い画像でわかりにくいかも知れませんが、センターやや右よりな手前のゴードンを境にしているんですが、わかりますか。


左半分が整頓され、右半分が乱雑になっているのが。
後々、トゥーフェイスに変貌する人間のオフィスで。


いやこれびっくり。これ見たときいの一番に思い出したのが押井守の名著「METHOD」。「パトレイバー2」のレイアウト(画面設計)集なんですが、その中で押井さんはレイアウトをコントロールする事で、ぱっと見ただけでは判らない映画のサブテクストを仕掛けているのですが、それは絵によって画面を設計する工程としてのレイアウトという段階があるから可能なのであって、まさか実写映画でこういうことをやられるとは思ってもみなかった。

実写でいくらプレビズが流行っているからってここまではできない。ノーランがいかに理詰めで映画を「設計」しているかという典型のような画像。たぶんここ以外にもこういうサブテクストはいっぱい仕掛けてあるはず。

というわけでもう一回くらい観にいったほうがいいのかなあ。でもシネパトスしかやってないんだよな、昼間は。シネパトスか……まあ通い慣れてはいるけれど。