われらのリー
今回はきつい。吐きっ放し。な中で考えたのだけれども、
よく、「燃えドラ」世代は「ヌンチャク買った」だの「空手の通信教育」だのを自分のボンクライズムとしてネタにする(『マトリックス』のときよく言われてましたな)わけですが、
翻って「スプレマシー」「アルティメイタム」の感想を観るに、
- 劇場を出ると早歩きになる
- 周囲に(必要もないのに)視線を走らせる
- 車のナンバーを覚えようとする
…このボンクラども(include俺)の大量発生を見るに考えるのは、
「ボーン」は我らの世代の「燃えドラ」ではあるまいか、
というどうでもいいといや心底どうでもいいことなのだが。ただまあ、ランボーやコマンドーへの同化願望というのはあまり聞かなかったわけで。
ブラックブライアーからみたボーン・アルティメイタム
劇中で、CIAのブラックブライアーチーフが、ジャーナリストどきどき拉致大作戦のときに「レンディション・プロトコルを用意しろ」とのたまうわけですが、字幕では単に「逮捕許可を」となってたこれ、上記のように法的にきちんとした身体拘束である「逮捕」とはぜんぜん違う、いま話題の(というと不謹慎ですが)拉致して拷問オッケーな国に移送して好き放題尋問するCIAの現実の対テロ作戦のこと(「拘禁」とか訳されてますな)を指しているわけです。それを題材にした「レンディション」という映画が今度やるわけですし。
さらに、ブラックブライアーは劇中でパメラにヴォーゼンが説明するように、自国民の盗聴、監視、逮捕なしの拘禁、実験尋問、暗殺など、「ブラック・オプ(非合法活動)」すべてを包括するプロジェクトということで、いわば911以降の国防を免罪符にした全世界的「例外状態」の権化、カリカチュアとして設定されているわけです。
冗談としてふと思ったのは、
「よくよく考えてみれば公安9課だって似たようなもんだよな〜」
というわけで公安9課視点のボーンをネタとして考えてみる。
- 冒頭のガベル共和国極東通商代表部暗殺に失敗する、凄腕工作員草薙素子。
- 地上への落下のショックで電脳がイカれたのか記憶喪失に。光学迷彩着たままなので誰も見つけてくれない。
- 自分探し開始。なぜか複数のIDを持っている自分に愕然。クサナギ・モトコ?クロマ?いったい私は何者?この大量のデコットは何?
- 荒巻は捜査網を張るがスキルのある素子はさくさくすり抜けたり利用したりする。「もとこぉぉ」バトーもイシカワもトグサも瞬殺。なんでわたしこんなCQCとかハッキングとかできたりするの?
- 真相の解明。正義のためならなにやってもいいのか、と自分が暗殺者だったことに悩み出す素子。
- すべての元凶である9課本部侵入。すべてが明るみに。
- 荒巻逮捕。内閣総辞職。特殊部隊規制法案可決。公安9課解散。
なんという大迷惑。