BATTLESTAR  GALACTICA サイロンの攻撃

 こ、これはいい。面白い、が、渋い。渋すぎる。

 何が渋いって、音楽が渋い。音楽というか、和太鼓メインで渋めに鳴らす。これがえらくかっこいいのでオープニングからしびれる。この和太鼓テーマがクライマックスの戦闘でも流れるので渋いことこの上ない。俺的ドツボである。

 渋いのは音楽だけではなくて、ドッグファイトも渋すぎる。音がないとは言わんが、効果音はかなり渋い音を選んで地味に鳴らしている。それが和太鼓の鳴る宇宙空間でソリッドに戦闘を繰り広げるのだ。

「エピソード2」でずっこけたのは、実はパドメとアナキンの花畑でラブラブという、八甲田山幻覚シーンもかくやのベタベタっぷりなどではなくて、ラストでジェダイ軍団とクローンが突っ込んで乱戦を繰り広げるときに唐突に持ち込まれる無節操なカメラワークだった。無節操なカメラワークとは何か、というと、手ブレ + クイックズームのコンボ。リドスコが「G.Iジェーン」でやりすぎてドリフ化し、「ブラックホーク・ダウン」に至ってかなり洗練の度合いを見せた疑似ドキュメンタリズム的カメラワーク。これを無分別にある種の映画に持ち込むとギャグになってしまう、というのが「エピソード2」で証明されてしまったわけだが、実はこれとまったく同じ手法を「ギャラクティカ」も使用している。が、恐らく空中戦や宇宙空間でこれを全面展開した映像は初めてなんじゃないか。「エピソード2」にしても地上戦だったわけだし。基本パターンは「フレーム内に注目点を発見>そのあたりへクイックズーム>ズーム後対象を中心へ補正PAN」という王道の繰り返しなんだが、これを宇宙でやられるとけっこうびっくりする(まあ、これは流行りモンなので、いずれ時間の問題とは思ってたけど)。メイキングで「ブラックホーク・ダウン」を参考にしたとスタッフが語っていたのだけど、クイックズームin宇宙をいっちゃん先にやったということは評価されていいかもしれない。

 そしてSFらしいスケールのでかさに感動する。何が、って核がけっこう通常兵器としてドッカンドッカン炸裂しまくる点。都市攻撃はともかく、艦隊線でも核ミサイルが飛んできたりする。戦闘機もメインエンジンドッカン吹かすだけじゃなくて、機体各部のスラスターをシコシコ噴射して姿勢制御したりするし、スペオペなんだけどリアルな味付けのバランスが気持ちいい。

 SF者は観てもいいかも。ってみんな観てるか。今頃観ているの、俺だけか。